第35番 高野山明王院
高野山別格本山(こうやさんべっかくほんざん)明王院(みょうおういん)
五大尊 我六大の この身をば 三密具足 なさせ給へよ
家田荘子
ご朱印
家田荘子
コラム 三十五番 明王院
海抜一〇〇〇メートルの高野山の山上、東西に六キロ、南北に三キロに渡る広さの所に一二〇ヵ寺程のお寺があります。その中の一つ、明王院には、日本三不動の赤不動様がいらっしゃいます。
ご本尊の赤不動明画像は、秘仏ですが、弘法大師の甥っ子、高憎円珍和尚が、修行中に感得した不動明王様の姿を岩絵具と、自分の頭の血で書いたと言われています。
この不動明王像は、ちょっと珍しいお姿です。まず不動明王様が、岩の上に腰をかけ、倶利伽羅竜(黒竜)の巻きついた剣を持っていらっしゃいます。また、矜羯羅(こんがら)童子と制多迦(せいたか)童子の二童子ともが、右脇にいて、人の子に近い容姿をしています。そして、不動明王様の表情も、とても印象深いと思います。怒って相手を降伏しているものの、(こいつは、ほんとにしょうがないヤツだなぁ……)と、情に溢れたお気持ちがうかがえるのです。
本堂は随分、きれいに改築されました。本堂までの庭も、細かい所にまで気を配られていて、きれいです。もちろん、本堂でも一般参拝者がお参りをしています。それぞれが、それぞれの邪魔をしないよう、お互いに思いやりながらお経を唱えて下さい。
近畿三十六不動尊霊場会先達・作家 家田荘子寺院紹介
- 名称
- 高野山別格本山(こうやさんべっかくほんざん)明王院(みょうおういん)
- 通称
- 赤不動
- 不動尊について
- 絹本著色不動妙王二童子像一幅、重文。
- 所在地
- 和歌山県伊都郡高野町大字高野山146
- 郵便番号
- 648-02
- 電話番号
- 0736-56-2106(代)
- 宗派
- 高野山真言宗
- 開山
- 弘法大師、中興如法上人(にょほうしょうにん)
- 創建
- 弘仁7年(816)
- 詠歌
- 五大尊 我六大の この身をば 三蜜具足 なさせ給へよ
- 行事
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- 毎月28日
- 護摩供
- 1月28日より2月3日
- 節分星祭祈祷会
- 4月28日
- 赤不動明王大祭
- 特色
- 高野山の塔頭(たっちゅう)寺院の一。
- 交通 (地図はこちらをクリック)
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- 徒歩
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- 大阪ナンバより南海高野線極楽橋駅(終点)でケーブルに乗換え、高野山駅下車、大門行バスで、金剛峯寺前又は大塔口下車、歩いて3分〜7分。その他の行先のバスの場合は千手院橋(せんじゅいんばし)下車徒歩10分。
- JR和歌山線利用の場合は、橋本駅で南海高野線に乗換えること。
- 車・団体バス
- 国道24号線の高野口町から九度山町、高野山道路を経て高野山へ。高野山道路の終点大門を通過、最初の信号を左折、約2分。積雪時にはタイヤチェーン要。積雪時有料道路の通行が禁止される場合があるので注意のこと。
- 休憩宿泊等
- 宿泊可、団体70人、個人50人、2食付。団体8,000円、個人9,000円より。予約のこと。休憩可、費用志納。
- 拝観
- 本尊御開帳4月28日(但し晴天に限る)。
- 附近の名所旧跡
- 奥の院(大師御廟への参道約2kmの墓碑)、大伽藍、総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)、霊宝館(宝物館)、徳川霊台、山内50数ヶ寺の塔頭寺院。
- 山主
- 住職「高岡(たかおか)隆州(りゅうしゅう)」
- 特産
- 高野豆腐、胡麻豆腐、高野槙(まき)等。
- その他
- 桜の開花は4月下旬、新緑の頃も美しい。石楠花は5月中旬。6月15日は、大師御誕生を祝う「青葉祭」で賑わう。紅葉は早く、10月中旬から下旬。